世界のCNPから

くろるろぐ

バイ春クロル2019冬 〜壊れたバイクと箱根の玉子〜

箱根・大涌谷へ行った。

f:id:CNP:20190104225831j:image

 

なぜ

弊社では、盆暮れ正月などのまとまった休みの際「どこで過ごす予定か」を前もって書いておく決まりとなっている。仕事の都合でどうしても急に呼び出さなきゃいけなくなったときのためだったり、何らかの形で事故った場合いち早く状況を確認するためだったりするらしい。

そんなわけで僕も「1/4 箱根」と書かされた。

しかし僕は元来「おっ今日はいい天気だな、出るか」という“勢い”で旅をするタイプだ。なので、正直この仕組みは僕にとってかなり窮屈である。

1ヶ月も前から予定しておくなんて性に合わなすぎる。当日の朝になってやる気が出なかったら行くのをやめたい。翌日になって行きたくなったらフラッと出かけたい。

とはいえ僕は会社でちょっと目立つ新人になってしまったようなので(上司に物を言いまくったせいか?)、「ヘェ〜箱根に行くんだ〜いいね〜」と周りから突かれてしまい、「やっぱりやめました」と言いづらい感じになってしまった。まあ「やめました」と申し出ることはできるのだが、わざわざ申し出なきゃいけないため、それはそれで面倒だった。

 

じゃあ行きますよ、行けばいいんでしょ、行けば。

 

 

【バイ春クロル2019冬 〜壊れたバイクと箱根の玉子〜】

 

 

ここのところ、出発が遅すぎる。次回以降は改善していきたい。

 

よく考えたら箱根は避暑地だった。文豪たちでさえ真冬に登山してはいないと思う。

 

コンビニにて。空があまりに青かったので、そしてバイクとのコントラストがあまりに綺麗だったので。

かつて僕は「渋谷の若者たちはなぜ駅の横の何もない白壁を背景に自撮りしているんだろうか」というのを疑問に思っていたが、少しずつその気持ちがわかってきたような気がした。要は背景をどう使うか、ということなのかもしれない。

 

 

大涌谷

f:id:CNP:20190104235349j:image
f:id:CNP:20190104235334j:image
f:id:CNP:20190104235344j:image

14:23着。あまりの寒さに全ての感情を失った。

なぜこんなにかかったかというと、僕が「すり抜けしないマン」だからである。

たぶん車の隙間をスイスイ走り抜けていれば1時間半は早く着いたはずだ。けれども、僕はすり抜けをしないマンなのだ。

なぜか? まず「他の車にぶつかりでもしたら問題になるかもしれないというのが怖いから」。次に「バイクに乗らない知り合いたちがみんなすり抜けを嫌っているから」。あと「車は大人しく渋滞に巻き込まれているのにバイクだけスイスイ抜けるのは不公平だと思ってしまうから」。このあたりが理由だ。

まあ、だからといって僕は「すり抜けするマン」のことを憎んでいるというわけでもないので、単に僕個人のこだわりみたいなものだ。危ないことはしないっていう。

 

と、まあそれはさておき、そうやってめちゃくちゃ時間をかけながら目的地へ着いた。腹が減って死にそうだったのでまずは昼飯にした。

「レストラン」と書いてあったがカフェのような軽食屋のようなものだった。1200円分ほど食べた。

 

 

そもそも僕がわざわざ大涌谷を目的地としたのは、祖母に(箱根土産として)欲しいものを聞いたところ「黒玉子……?」と返答したからだった。

大涌谷黒玉子は「ひとつ食べると7年寿命が延びる」とされている。祖母が「無駄に延命してもねぇ」という態度を取ったので、僕はそっと「でもやっぱり生きていてほしいと思っちゃうもんだよ」みたいなことを言っておいた。

 

 

事件

 

バイクを倒してしまった!

 

バイクをお持ちの方は特によくわかると思うが、坂道において「バイクの上側(シートがある方)」を「坂の下側」に/「バイクの下側(タイヤがある方)」を「坂の上側」に向けるように倒してしまうと、引き起こすのがかなり難しくなる。なぜなら「バイクを引き起こすための力」が重力に反する向きとなるからだ。

僕は軟弱なので一旦上下が逆になるよう回転させてから引き起こした。

 

しかし……

なんとこの一撃でバイクくんがまともに動かなくなった。見た感じクラッチ周りの部品が歪んだことによる不具合のようだった。そこで一応自分でもレンチを使って歪みをグリグリしてみたが、「1速に入ったら戻らない」「2速とニュートラルにしか入らない」などどうしようもない結果に終わった。

 

なんだかテンションがおかしくなっていった。

 

正直、今回は「走行中でもなく、他者を巻き込んでもおらず、バイクに致命傷を与えたわけでもない」という状況だったのでだいぶ落ち着いて対応できた。とはいえ、保険会社の人やロードサービスの人にご迷惑をおかけしてしまったことについては反省したい。

「ひとり旅」はひとりで完結させてこそである。

 

また、これはぜひ覚えておいていただきたいのだが、冬の箱根の山はダメだ。

北海道の人からすれば大した寒さではないと思うが、暖房の前で毛布にくるまっているような東京人に耐えられる寒さではなかった。

寒さのあまり上記のような支離滅裂ツイートをしてしまった。

 

出発前の僕「箱根湯本駅周辺にはバイク置き場がないから今回は立ち寄れないな〜」

数時間後:

f:id:CNP:20190105000516j:image

 

出発前の僕「箱根湯本駅に寄らないなら「えゔぁ屋」も今回はスルーだな〜」

数時間後:

f:id:CNP:20190105000603j:image

 

 

そして最終的にはバイクのヘルメットとグローブとを手に抱えたまま、

 

こうして、バイ春クロル2019冬は幕を閉じた。

…………反省点はたくさんある。寒さ対策は万全にしなくてはならない。駐車は慎重にしなければならない。そもそも自信がないなら山へ登ってはならない。

てなわけで、魔法の言葉「次回以降は改善していきたい」を呟いておいて、今回はここまで。

 

 

おまけ 問題があれば消すやつ

ダメそうなら消そう。

 

f:id:CNP:20190104235823j:image

 

必死こいて玉子の写真を撮るひとり旅の僕。

裏側で楽しげに集合写真を撮る大学生くらいの男女グループ。

 

まだバイクを倒してしまうとは思っていなかった僕。

「黄色い歓声」という言葉を小説以外で使うとしたらここしかない、というような声を上げて駆けていく男女グループ。

 

しゃがみ込んで写真を撮る僕。

周りの人に写真お願いしますと頼んで集合写真を撮る男女グループ。

 

王子にも玉子にもなれない……僕。

 

f:id:CNP:20190105002137j:image