世界のCNPから

くろるろぐ

観劇はまだガンには効かないがそのうち効くようになる

演劇を観てきた。

 

前日になって某が都合をつけられなかったため1席キャンセルした・寝坊した・「赤羽駅」と「赤坂駅」を間違えてめちゃくちゃ時間がかかってしまった・結果として遅刻した……等々、正直なところ僕は到着する前の時点で精神を参らせていたのだが、それでも観てきた。

 

僕は演劇を観に行って後悔したことがないからな。

 

コメディシーンで笑い、シリアスシーンで泣き、場の雰囲気そのものを楽しみ……なんというか、「感情を任せる」感覚を味わえるのが演劇のよいところだ。

登場人物の誰かに感情移入することで自分自身の感情を忘れている、というのとはやや違う。観客として空気や壁と一体化し、物語そのものに没頭することで自分を見失っている、という方が近いかもしれない。僕の場合は。

 

僕は観劇後しばらくボーッとしがちで、異世界(劇場)から現実世界(外)に帰っていってもまだ夢の中にいるような状態を抜けられないタイプだ。役者さんたちと話すときもかなりボケッとしていたような気がする。

そのくらい、作品に没入しすぎるので咄嗟に帰ってこられないのだ。自分がどこにいるのかすら見失ってしまうのだ。この感覚をも含めて「観劇」だ、という感じがする。

 

とはいえしばらくして落ち着いてから照明担当氏に3000字くらい感想文を投げておいた。✌︎('ω')✌︎

 

ハコの中は異世界である。すなわち観劇とは異世界旅行である。異世界には現実世界の苦痛も苦悩も入ってこられないので、安らかだ。

まあそれは僕が観客だからであって、そんな空間を実現してくださる劇団サイドは「安らか」どころの騒ぎじゃないんだろうな。いつもありがとうございます。あまりご無理をなさらないでください。

 

しかし精神安定剤が抑え込めなかった感情を、90分間の演劇作品が抑えてくれたらしい。つまり冷静でいたかったら常に演劇を観ていればいいのでは……?

さらに演劇を観たあとはいつも謎の意欲に満ちるので、観劇ってのは無気力にも効くのだと思う。観劇はまだガンには効かないがそのうち効くようになる。

 

とてもよかった。この感覚、ちゃんと捕まえておきたい。

以上。