さっきから体をめっちゃぶつけているが痛くないのである。たぶん、心も痛くない。今なら何でもできそう、でも酔っているから何もできやしない。酔うと痛みを感じなくなる。痛くないから何でもできそうで、痛くないから何もできないのだ。 歯を磨いている。 …

仕事で失敗したとき、約束の時間に間に合わなかったとき、生きていてごめんなさいという状況になったとき、僕は割と咄嗟に謝るタイプだ。 しかし僕の「謝罪」は大抵の場合、相手をめちゃくちゃに怒らせる。 理由は簡単で、僕があまりに謝りすぎるからだ。 僕…

僕は人の好意を信じないことにしている。 他人を信用していないから、というのとは少し違う。僕は「相手に好かれている」と思ってしまうと、気を抜いてしまう人間だからだ。無意識下で傲慢になり横柄になり怠惰になり、いやなやつになる。相手に好かれている…

時刻は20時30分、外は小雨と微風とに冷やされてすっかり秋の夜って感じ。2000年前の秋はきっとこんなんじゃなかっただろうなって、だってまず高層ビルなんかなかっただろうからね。見てくださいこの煌めき、星のない夜に星を作り出してしまった人類の咎が真…

以下は小説なので全てフィクションである。 〜〜〜 9月23日は日曜日、世間では三連休の真ん中だったと思う。 しかし僕は前々から言われていた、日曜日と月曜日は出勤してほしいと。今の状況からして、呑気に休んでいる暇はないと。 仕方あるまい、と思った。…