嘔吐リバース鬱ラリアット
時刻は20時30分、外は小雨と微風とに冷やされてすっかり秋の夜って感じ。2000年前の秋はきっとこんなんじゃなかっただろうなって、だってまず高層ビルなんかなかっただろうからね。見てくださいこの煌めき、星のない夜に星を作り出してしまった人類の咎が真っ暗な夜空に瞬いていますよ、地獄みたいだ。
おはようございます。僕はクロル。今夜も残業を楽しんできた。何てったって秋の夜は長いから、発熱して上気していつもより3割くらい大人しくなった先輩に微笑みかけるような心の余裕さえ生まれてしまうってわけ。それにしたって今日はみーんな静かでしたね、秋の幽霊に魂を擽られでもしたんでしょうか? くすぐったい! たまにはそういうのもいいでしょう。僕もね、たまには明るい話をしたりしなかったりするんです。
まぁ真面目な話、今日は試しに精神安定剤の量をちょっとばかり増やしてみたんですね。おかげでだいぶ気分がマシですね、ほらこんなに語彙力が高まって。魑魅魍魎が跳梁跋扈して艱難辛苦の残業手当! 何でも喋っちゃいますよ。
世の中のつらい思いをなさっている皆さん、つらいですよね。死にたいですよね。僕もです。死は終焉であり救済であり逃亡であり解放である! 僕は一人旅が好きなんですが、死はまさに究極の一人旅って感じがします。最高! どこまでも飛んでいく。僕が死んで悲しむ人がほらあんなに集まって……おや? 違う! あれは僕の死を祝うパーティじゃないか! みんな色とりどりの扮装をして頭に三角帽子を被っている……巨大なケーキ! なんてこった。みんな楽しそうで何より! それだけでも死んだ甲斐があるというものです。皆様の今後の人生に乾杯。
さてさて。
まあそんなことはどうでもよくて、何だかんだ死ぬのって難しいなと思います。ホームドアのないホームがこうして目の前にあって、急行列車が通過することもわかっているのに、僕は今日も飛び込めなかった……なんて勇気のない人間なんだろう、そんなだから就職に失敗するのです。てへ?
ってなわけで死ねない皆さん、あのね、おくすり、オススメです。それは本当。あっ……くすりで死ぬとか麻薬に手を出そうとかいう話ではなくて、精神安定剤は素晴らしいですよという話を、したい。
今日もね、そこそこつらい日だったけれど、くすりが効いてきたあたりからだいぶ元気が出てきました。他の先輩にずーっと説教をしつづけている上司さんに向かって「言い過ぎだと思います!」って叫べちゃったくらいの元気。やばすぎ。明日からどんな顔して会社にいけばいいのかな! まぁ細かいことはいいんです。
僕が最初に心療内科に行ったのは今年の4月くらい。まあ実は数年前にも別のところに通っていたんだけど、たいして話も聞いてくれないで薬を出しまくってくるタイプのお医者さんだったので長続きしませんでした。かなしいね。
今回のお医者さんはいい人です。優しいです。同情してくれる時の悲しげな笑顔がすてきです。おくすりも適切に増やしたり減らしたりしてくださってます。そういうお医者さんを見つけよう! 治安のいい地域にある医者は質がいい(偏見)
ちなみに僕が飲んでいるのはデパケンくんとレクサプロくんです。可愛い相棒。あっ別にハイテンションになるくすりではないんですよ、このハイテンションは演技です、何しろクソ真顔、もうびっくりするほど真顔よ。大丈夫。
さて話を戻すけど、僕は昔から突発的にキレることが多くて、たぶん血筋だと思うんですけど(名推理)、人に八つ当たりをしては自己嫌悪に陥り、また八つ当たりをするってな感じで、友達を失うことがありました、恋人も一度失っています。あと物事を考えだすと闇に飲まれてこんなヾξ(°ω。ヽ≡ノ°ω。)ξノ゙感じにヾξ(°ω。ヽ≡ノ°ω。)ξノ゙なっちゃうので、それも気になっていました。
とにかく、人に迷惑をかけるのはよくないなということなんですよね。人間は自分以外の人間を救いきれないものだから、そもそも他人に頼ろうと思わないほうがいい。ある日、恋人氏に「自分の機嫌は自分で取れ」と宣言され、ガビーンと天啓を受けた僕はその足で心療内科へ向かいました。まぁ恋人氏としては病院へ行けって意味で言ったつもりじゃなかったんだろうけど、僕はもう自力で自分を制御できそうになかったんじゃな。
そっから相談して(言葉がまとまらなかったので8000字くらい作文を書いて持っていった)、ちょっと検査して、くすりをもらって、今もちまちま飲んでいます。ある程度は自分で量を加減してもいいとのこと(もちろんワンシート飲むなどの無理をしてはならない)、どうしてもつらい時は量を増やしてみています。まぁ副作用があるのは仕方ないから多少はねって感じなんだけど、その辺は自分でも調べながらやっていこうねってねってね。
飲み始めてからは全然暴れなくなっていました(最近ちょっと危ないんだけど)。前まではマジで家の壁紙に穴を空けてしまうことすらあったし他人にマヂヤミメールを送ってしまって縁を切られたこともあったし〜中身がいっぱい詰まったアマイアマイものです、イェイ♪ 基本的に泣き泣きの1日を過ごしていた。そんなもんじゃ。まあプラシーボ効果? かもしれないけど、くすりを導入してからはそういうのがだーいぶマシになりました。
自殺は手間がかかるし思ったより死ねないし、どうせ一度きりの人生もうちょい楽しい思いしてから死にたいなって思ったり思わなかったりするじゃないすか、まぁ死ぬとなったら死んでもいいかなとも思うんですけど。とりあえず、なんつーか、くすりはオススメ。つらい皆さん、一度プロに相談するってのは確かに意味のあることかも、しれないっすよ。
あ、それに、職場に袋ごと飾っとくと威圧感も出せるよ!
秋雨に 濡れて打たれて 夜を往く
嘔吐リバース鬱ラリアット
〜完〜