祖母にカメラを買った
最近、僕の祖母の精神状態が不安定だ。まあ原因は恐らく僕の父(=祖母の息子)が荒れているからなのだが……。
祖母にも言いたいことはたくさんあるはずだ。しかし、それを言うと父が怒り出すので言えない。そんなフラストレーションのせいか、あるいは単に父の大声が怖いからか、祖母はどんどん憔悴している。もちろん父のことだけでなく、弱っていく自分の体のことや、奔放な孫(σ(o'v'o)僕)のことでも苦しんでいるようだ。
ので、祖母にカメラを買った。
は？
まあ聞いてほしい。
カメラはよいものだと思うんだ。
最近の祖母はほとんど趣味っぽい趣味に興じていない。そういう無気力状態が憂鬱状態の原因の一部となっているような気がする。何かしらストレスを発散できる趣味があれば多少は気が紛れるんじゃないか……と僕は計算した。
かつて祖母の趣味は料理や編み物、だった。未だに機会があれば手を出しているらしい。とはいえ、長く立っているのがつらくなり、視力も落ち、あまり積極的に手を出せない状態のようだった。
そこでカメラなのである。
クリエイティブ要素がある。脚力も視力も必要ない。この時点でなかなかいい感じだ。
もちろんカメラというのはかなり奥深い趣味なので、沈もうと思えばどこまでも沈んでいけてしまう。僕の尊敬する某兄貴も最近すっかりカメラ沼の住人となってしまい、ここのところカメラの話か女児の話かしかしていない(盗撮をしているという意味ではない)。
けれど一方、最近は技術が進歩しており、「スイッチをオンにしてシャッターボタンを押す」だけで撮影できるカメラもある。手ブレは補正してくれるし、撮影シーンに合わせてホワイトバランスだのF値だのシャッタースピードだの調整してくれるし、人の顔を認識してフォーカスを合わせてくれるし、そのうち自力で歩き出してインスタ映えする写真を自分で撮ってくるようになるのでは？ と思わせてくるようなカメラも多い。
つまりカメラには、「沈みたければ沈んでいける、手軽に楽しむこともできる」くらいの程よさがあるのだ。
そして手軽な方のカメラは今どき、操作も簡単で重量も軽い。まさに祖母向けという感じなのだ。
祖母は神経痛や腰痛がひどいのもあって家にこもりがちである。むろん、体が痛いときは無理に外へ出ない方がいい。けれども、体調と気分と天気のいい時くらい散歩に出かけたらいいんじゃないかな。そんな思いもあった。
というわけで、祖母にカメラを買ったぞ。
ちなみに選んだのはCanonのIXY650である。
選んだ理由はいくつかある。
- 軽い
質量（バッテリーおよびメモリーカード含む／本体のみ）（CIPA準拠）
約147g／約130g
多分だいぶ軽い。祖母は重いものを持てないので(父親の持っているそこそこのカメラも重くて手が震えて持てないらしい)、今回の僕はとにかく軽さにこだわった。
ちなみに僕のiPhone 8 Plusは
iPhone 8 Plus
重量：202 g(参考 : iPhone 8 - 仕様 - Apple（日本） )
とのことなので、iPhoneより軽いってことになる。
- 扱いが簡単
32シーンを認識する「こだわりオート」
むずかしい設定はいっさい不要。顔の有無や、光の加減など、撮影時の多彩なシーンを判別して、カメラが自動で設定を行うので、どんなシーンもかんたん、キレイに写せます。
どうせボタンがたくさんあっても混乱させるだけなので、こういう方が良さそうだなと思った。
- 近いものが撮れる
撮影距離
（レンズ先端より）
オート：1cm～∞（W）／1.0m～∞（T）
マクロ：1cm～50cm（W）
1cmからって凄いんじゃないすか？ わかんないけど……
まあ祖母が外出せずに撮るとしたら料理とか仏壇用の花とかになりそうだし、そういうのに適していそうかなと思った。
正直カメラのことは詳しくないので、先ほど話題に出した某兄貴にもご意見をいただきつつ結局こいつにした(ありがとうございました)(それと懸念していた「年寄りはファインダーの方が扱いやすいのでは」問題、祖母は「目が悪いからよく見えないかと思ったけど大きな画面に出るなら見やすくていい」と言っていたのでむしろ良かったかもしれません)。
これで祖母も散歩に出かけるだろう……
けど……
ひとりで散歩に行ってこいって投げ出すのは、ちょっと薄情だよね……
できれば人と一緒に歩いた方がいいよね……
でもカメラを持っている人が持っていない人と歩くと互いに気を使ってしまうよね……
つまり…………
これは断じて自分のためのものではなく、祖母のためのものなんだよね！！！
はい。
Lomography(ロモグラフィー)のDiana F+。
Diana F+ Without Flash · ロモグラフィーオンラインショップ
……。
誰にも言っていなかったが、僕はちょっと前からトイカメラに対して興味を持っていた。
最近はスマホでトイカメラ風の写真を撮ることができるので敢えてマジのトイカメラを使う人なんていない……フィルムカメラはフイルムが高価だし扱いにくいし不便なだけ……シャッタースピードが遅いので撮りにくい……現像に手間がかかる……この画質じゃバイク写真も天体写真も撮れない……わかっていた。わかっていたんだが……
サイトの作例を見てくれよ。興味、湧いちゃうだろ。
仕方なかったんだ。
カルト的な人気を誇った伝説のDianaカメラ。120フィルムを使用し、ドラマチックでソフトフォーカスの写真を撮影することが可能です。更に豊富な種類のアクセサリーを使用すればインスタント写真や、魚眼レンズを搭載し真ん丸写真も撮影可能です。
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仕方なかったんだ。
まあこれで祖母と一緒に散歩しながら写真を撮ろうと思う。
それこそ今日も散歩へ行こうとしたけれども、祖母の腰痛の調子が悪かったので断念した。少しずつやっていきたい。
あ、まだ5枚しか撮っていない(上に試し撮りのマグカップの写真くらいしかない)ので、実際の写真は後日お見せしたい。
以上。
