世界のCNPから

くろるろぐ

ダークレベル:0

三月三十二日

三月三十二日、と書き入れてしまったメモを破いて捨てながら、今日から四月に入ったのだということを思い出した。思えば通勤経路の桜並木は命短しとばかりに咲き誇っていたし、心なしか夜風も甘やかになってきたし、自動販売機の飲み物は冷たいものが増えて…

愛されないことよりも、愛させてもらえないことの方が怖い

ちょうど一年前、僕はここで猫耳少女と話をした。 そのとき彼女は、「自分のことを好きなだけ話していい」と言ってくれた。僕はお言葉に甘えて、自分のこと、自分の好きな本のことを話した。僕の話が彼女にとって面白かったかどうか僕には判じかねたけれども…

小説・他人の遺書

朝起きて郵便受けを確かめると、何やら分厚い手紙が届いていた。真っ白な封書には僕の住所と名前だけが書かれており、差出人の署名はなかった。とはいえ、その特徴的な筆跡はよく見慣れたもので、誰から来たものであるか僕にはすぐわかった。僕は妙な胸騒ぎ…

観劇はまだガンには効かないがそのうち効くようになる

演劇を観てきた。 前日になって某が都合をつけられなかったため1席キャンセルした・寝坊した・「赤羽駅」と「赤坂駅」を間違えてめちゃくちゃ時間がかかってしまった・結果として遅刻した……等々、正直なところ僕は到着する前の時点で精神を参らせていたのだ…

僕に勝てる奴なんか普通にたくさん居た

「俺の彼女マジ可愛くていい子なんだけど寝ながら屁ぇこくのだけは勘弁してほしいわ」 ……みたいなのを聞くのが、好きだ。 まず僕は惚気話とか幸福自慢とかを聞くのが純粋に好きだ。他者が幸せであればあるほど嬉しい。 紳士ぶっているわけではない。ただ幸せ…

祖母にカメラを買った

最近、僕の祖母の精神状態が不安定だ。まあ原因は恐らく僕の父(=祖母の息子)が荒れているからなのだが……。 祖母にも言いたいことはたくさんあるはずだ。しかし、それを言うと父が怒り出すので言えない。そんなフラストレーションのせいか、あるいは単に父の…